厚生労働大臣 田村 憲久さまよりメッセージ:2021年度「世界アルツハイマーデー」に寄せて(全国の”認知症の人と家族の会”に届いた文章です)

2021年07月05日

2021年度「世界アルツハイマーデー」を迎えるにあたり、一言お祝いの言葉を申し上げます。


毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と国際アルツハイマー病協会が定めてから今年で28年目を迎えます。この間、我が国でも「公益社団法人認知症の人と家族の会」が中心となって、認知症の人のご家族の交流や相談、認知症介護に関する調査や研究などが進められ、国内外での啓発活動が展開されています。鈴木代表理事をはじめ、関係者の皆様の御尽力に対し、深く敬意を表します。


我が国では、2025年には高齢者の約5人に1人が認知症になると見込まれています。認知症は誰もがなり得る身近なものであり、認知症施策は国をあげて取り組むべき喫緊の課題です。厚生労働省では、令和元年6月に取りまとめられた「認知症施策推進大綱」の下、認知症への社会の理解を深めつつ、認知症の有無にかかわらず同じ社会の一員として住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるよう、「共生」と「予防」を車の両輪として取組を進めています。


さらに、令和3年度介護報酬改定においては、認知症についての理解の下、本人主体の介護が推進されるよう、訪問系サービスに認知症専門ケア加算を拡充したり、介護に直接携わる職員のうち、無資格者への認知症介護基礎研修の義務づけなどを行いました。引き続き、住み慣れた地域において、利用者の尊厳を保持しつつ、必要なサービスが切れ目なく提供されるよう取組を進めてまいります。


また、令和2年1月より、認知症当事者ご本人を「希望大使」として任命させていただき、「認知症の人と家族の会」の御協力も頂きながら、認知症に関する普及啓発、本人発信支援の取組を推し進めています。さらに全国各地でもこのような取組が進められるよう、現在、「地域版希望大使」の設置を各都道府県にお願いしているところです。


こうした認知症に関する取組を進めるにあたっては、「認知症の人と家族の会」をはじめとする関係団体等と連携していくことが重要と考えており、引き続き、皆様の御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


なお、「世界アルツハイマーデー」のイベントについては、新型コロナウイルス感染拡大防止への御配慮もいただきながら、全国各地で実施されると伺っております。皆様の御尽力が国民一人ひとりの認知症への関心を一層高めるとともに、正しい理解を深めていただくきっかけとなることを心から期待しております。


最後に、認知症の方とその家族の皆様方の御多幸と、「認知症の人と家族の会」をはじめとした関係団体の皆様の益々の御発展を祈念して、私のお祝いの言葉といたします。


厚生労働大臣 田村 憲久

 
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